季語 蛇笏忌
みなさん、おはようございます。
今日取り上げます季語は「蛇笏忌」です。
今日10月3日は、大正から昭和にかけて活躍した俳人飯田蛇笏が亡くなった日、蛇笏忌です。
飯田蛇笏は明治18年4月26日に、現在の山梨県笛吹市境川町小黒坂の旧家(苗字帯刀を許された大地主)に生まれました。早稲田大学英文科で学び、高浜虚子を師事し、初期ホトトギスの代表的作家の一人となり、主情的作風によって知られました。その後、生まれ故郷に帰って、「雲母」を主宰し、風土に根ざした重厚な作風を確立しました。
蛇笏忌や振って小菊のしづく切り 飯田龍太
蛇笏忌の岩うつ滝の音きこゆ 飯田龍太
蛇笏忌の赤土踏まれ昏る 廣瀬直人
裏山にひかる雲積み蛇笏の忌 廣瀬直人
雲母忌の自尊の顔をならべたり 石原八束
蛇笏忌の真夜の蘭香いかにせん 梶井枯骨
老弟子のなかのわが齢蛇笏の忌 松村蒼石
蛇笏忌の連山なれば威儀正し 池田小枝子
蛇笏忌の甲斐出でし水澄みにけり 松崎鉄之介
今日は蛇笏忌を詠んだ句を十句取り上げました。 では。
季語 馬肥ゆる
おはようございます。
このブログ最初に取り上げます季語は「馬肥ゆる」です。
私的には秋を代表する季語のひとつではないかと思いますので、取り上げてみました。
寒帯や温帯に生息する鳥獣たちは秋になると皮下脂肪が増えて太るのが一般的です。
晴朗な秋晴れの下で馬はとても豊かに肥えます。
山の湯へ米味噌運び馬肥ゆる 大橋越央子
大橋越央子(おおはしえつおうし)は日本の政治家で日本放送協会会長などを歴任した大橋八郎氏の俳号です。岡田啓介内閣で法制局長官、林銑十郎内閣で内閣書記官長に就任した後の1945年4月21日から日本放送協会会長に就任し、終戦時の玉音放送に携わりました。主な句集は「野梅」です。
作者は富山県高岡市出身なので、雪で閉ざされてしまうの山奥の湯治場へ米や味噌を運んで冬支度をする情景が浮かんできます。また、馬も冬に備えて肥えています。のどかな秋の日が描かれている一句です。